農作業

【果樹の剪定】マキタUP180DZKで作業スピードが体感2倍になった話

※アイキャッチ画像はAIが作成してくれたよ
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こんにちは、すいです。
今日も農作業おつかれさまです。

剪定作業、地味に手が痛い

収穫に力を使い果たしたあと、農家の仕事は終わったかといえばそうではありません。
果樹の場合、種類にもよりますが、剪定は早めに済ませて来年の良い果実の準備をしてあげる必要があります。とはいえ、収穫が終わって気が抜けた状態で剪定作業に集中するというのは、なかなかハードルが高いもの。収穫時にはアドレナリン?で乗り切ってきた腰や腕の負担は、剪定時には作業の足を引っ張るには十分です。
私はいつも1日2時間ほどでギブアップ……を繰り返しておりました。

私より体力があって「一日中でも剪定できる」という方でも、手に負担がかかって腱鞘炎になった、というお話を聞いたことがあります。
枝や樹形がスッキリして楽しい作業ではあるのですが、同じ動作を何百回と繰り返す作業なので、地味に疲れがたまりますよね。
そんな収穫後のもやもやを数年間抱えておりましたが、この度ついに電動ばさみを購入いたしました💐

バッテリー式の剪定ばさみが普及してきたのは、ここ10年以内でしょうか。周りでも使う人がかなり増えてきた印象があります。
もちろん導入にはハードルがあって、まだ購入を決めかねている方もおられるはず。
私がお迎えしたのは、マキタの電動剪定ばさみ「UP180DZK」です。今回は実際に使ってみて感じたこと、良かった点や誤算も含めて書いていきます。

補足:はさみの型番について。本記事ではUP180DZKと表記していますが、正確にははさみ自体の型番がUP180Dで、後ろにZKを加えたUP180DZKはバッテリーの付属していないUP180Dの商品セットを示しています。18vバッテリーと充電器のセットは別途購入が必要です。

なぜUP180DZKを選んだのか

電動のはさみを選ぶにあたって、私が重視した3つのポイントを挙げていきます。
① 工具メーカーの正規品であること
電動ばさみをECサイトで探したことがある方ならわかると思うのですが、やたら安い1〜2万円(それでも普通のはさみよりは高いのですが)の商品がけっこう売られているんですよね。そして、商品名にあるのは「マキタ18V対応品」。つまり、マキタのバッテリーを使いまわせる、別メーカーのはさみが出回っているわけです。
この電動工具の廉価品については、人によってスタンスがまちまちだと思うのですが、電気系統に疎い私は断然(?)・純正派です!
なぜかというと、バッテリーが発火しそうで怖いから!(同じ理由で、壊れそうだからとプリンターも純正インクしか使えないビビりです)
いやまあ「滅多に発火しないからヘーキヘーキ」と講義してもらえたら私にも使えるようになるかもしれませんが、現状、数万円安くするために互換品を使う勇気がございません。
はさみとバッテリーの両方を製造しているメーカーとなると選択肢は一気に狭くなりますし、価格帯もがーんと上がります。しかしこれは致し方なし。
② 何かしらの安全装置があること
電動ばさみの存在を知りながら何年も保留していた理由。ずばり、手を切るのが怖いから。
幸いにして病院に行くようなケガは未だしたことがないのですが、それでも年に1回以上はキズパワーパッドを貼って1週間ほど悲しみに沈んでいる農家です。
これでもし作業によって指を失ってしまったら……と思うと、金銭面というよりは気持ちの問題で購入をためらっていました。
少しでも安全装置が欲しいということで、私が調べてみつけた2つの機能をご紹介します。

(1)指に触れたら刃が止まる
参考までにご紹介するのが、刃物メーカー・アルスコーポレーションの「スゴセンライト(EP-719)」という安全機能を備えた電動剪定ばさみです。

コードレス電動剪定鋏 スゴセンライト EP-719

素手、もしくはスマートフォン対応手袋をしている指に触れたとき、モーターが自動で止まるという機能だそうです。ただこの機能については、私は素手で剪定作業をしませんし、現場でケガをしてしまうのは指の第一関節の横あたりが多いので(手袋をしていてもスマホ対応なのは指の腹だけ)、結局この安全装置に助けられるわけではないかなぁと思いました。
剪定ばさみとしては信頼のおけるメーカーが出しているものなので、気になる方は検討してみてもいいかもしれません!

(2)特殊な動作をしないと刃が動かない
バッテリー式の良いところでもあるのですが、電源が入っている状態でも静かなので、電源のオンオフに気づきにくいという特徴があります。サックに入れて移動しているときに誤って電源が入り、意図しないところで刃が動作してしまうのは危険です。
マキタ搭載の安全装置は、電源を入れた状態でトリガーを2回素早く引かないと刃が開かず、剪定作業が開始できないというもの。
刃が開いていると臨戦態勢といいますか、刃物もよく尖っているので指が触れるだけでも少し危ないところがあります。開くまでにワンクッション必要なのはいいなと思いました。ただ、これも実際に枝を切っている作業中に役立つかというと、そうではないです。
……というわけで、私の希望を満たしてくれる安全装置のついたはさみは、まだないようです。技術としては、はさみにAIカメラがついていて手が近くにあると止まってくれる、みたいなことができなくもない気はしますが、はさみの値段がさらに上がりそうですね。

③ なるべく重くないこと
マキタからは電動の剪定はさみが何種類か出ていて、18Vバッテリー対応のものは2種類あります。
 

比較項目 UP181DZ UP180DZK
バッテリー 本体一体型 コード接続
(腰などに装着)
使用時の重量 約1,100g 約670g
バッテリーの重さを受ける場所 手 腰・地面など

違いは、バッテリーがはさみに直接ついているか、コードでつないで別の場所につけるか。
つまり、バッテリーの重さを手で受けるか、腰や地面で受けるかという差があります。
ちなみに価格は、UP180DZKのほうが3〜4万円ほど高い設定でした。

詳しい比較はマキタ公式HPをご参照ください。 ネットでeカタログが掲載されており、総合カタログの201ページや園芸商品カタログの51-52ページでも詳細を見ることができます。(2026年時点)
マキタ公式カタログhttps://www.makita.co.jp/product/ecatalog/

さてなぜ高いほうを買ったかというと、価格差よりも軽さを優先すべきだと判断したからです。
バッテリーをつけた使用時の重量は、UP181DZが1,100g、UP180DZKが670g。その差は約430gです。手にかかる重さとして、500mlのペットボトル一本弱。ペットボトルを余計に一本持って、はさみを使う場面を想像してみますと——。
枝を切る位置は、肩より下とは限りません。同じ位置で腕を保持しながら、はさみをしゃこしゃこ動かすこともあるでしょう。作業を長時間行うのであればなおさら、腕力との戦いになります。両腕ではさみを支えるということもできなくはないでしょうが、その分刃先に指が近づくので、ふとしたときに近くの枝を支えてしまって、その指に刃が当たる…というリスクが上がる気もします。
なお、本体の軽さだけを考えると10.8Vバッテリー対応の【UP100D】でもいいかな、とギリギリまで迷っていました。ただ私の場合、手元に18Vのバッテリーを持っていたのでそのバッテリーを生かすことを優先しました。新たにバッテリーと充電器を買い足して、充電ステーションの場所を確保せねばならぬことを思うと、多少重くても18V製品のほうが使い勝手がいいかなと。後述しますが、結果的に大きい方のはさみを買ってよかったと思っています。

買ってよかったところ

握った瞬間の衝撃、レバーが驚くほど軽い
UP180DZKを初めて握ったとき、一番驚いたのはレバーの軽さでした。ゲームのコントローラーか?と思うほど、指先を軽く引くだけで刃がギュイーンと閉じていきます。表現が正しいかはわかりませんが、おもちゃみたい。
そして、その感覚が太い枝を切るときも細い枝のときも変わらないのです。
手動の場合、ある程度太い枝を切るときは、はさみを持っている手に力を入れるのはもちろん、もう片方の手で枝を切りたい方向に押し曲げて切断をサポートしてやる必要があります。これが意外と力を使います。
電動だとこのサポートが要らないので、空いた手は切り落とさないように腰の後ろに控えておきます。気分はマギのアリババ戦闘スタイル^^(フェンシングのような半身の構え、ということです)
あまりにも細い枝は手動のはさみで小刻みに切ったほうが早く、手動のはさみも併用して作業していたのですが——
手動に持ち替えたときに初めて、
「いや、自分って切るのにこんなに力を使っていたんだな」 「はさみを握るのってこんなに重かったっけ」
という感想を抱きました。電動ばさみのすごさを改めて感じた瞬間でした。

作業スピードは体感で2倍以上に
レバーの軽さは、単に「疲れにくい」というだけでなく、作業スピードそのものに直結しました。手動の頃に比べて、体感では2倍以上のペースで作業が進んでいると感じています。作業中にタイマーをかけて時間を区切っているので、1コンマの間に今まで3本進んでいたのが7本目まで来ている、ようなイメージです。
参考記事:農作業のお供にポモドーロ・タイマーを活用する【時間設定や使用シーンについても解説】

作業が荒くなったと言われれば、おそらくそうなのですが、太い枝を切る前に「よし、切るか~~」とためらうコンマ数秒がなくなったのが大きいのではないかと考えています。(悩む前にレバーを引いている)
細かい手直しは後でやることにして、骨格をつくる大きな剪定はシャシャシャと進むようになりました。気持ち良いです。

手動はさみより太い枝も切れる
これが、少し大きめのはさみを購入してよかったと感じる理由です。
当初、電動ばさみは今まで手動のはさみで行っていた枝の剪定を代わりにやってくれれば十分だと思っていて、太い枝については従来どおり鋸(のこ)を使って作業を進める想定でおりました。
ところが、はさみを大きく開いて作業をしていると、その間に挟まる太さであれば意外と切れてしまうのです。もちろん限界はあって、のこを使う機会が全くなくなったわけではないのですが、今まではさみからのこに持ち替えて行っていた分の3割〜半分が、はさみでまかなえるようになった印象です。はさみの持ち替えもやはり数秒はかかるので、この持ち替えの手間が減ったことも、作業スピードが上がった一因になっているかと思います。

カタログには、はさみの最大切断能力は30mmとあります。
あんまり意地悪をして無理をさせると、はさみの寿命を縮めてしまうとは思うのですが、生木であれば直径27-30mmほどの枝でも、きれいな断面で切ることができました。

ただし太めの枝を切る場合は、はさみを持っていない方の手で多少枝を支えてあげないと、枝自身の重みで途中で折れてしまうことがあります。太い枝を切る場合は、そのようなサポートをしてあげた方がきれいに切れるということが、経験で分かりました。手を出す場合は、刃先に近づけないよう安全にくれぐれも注意です。

期待よりイマイチだったところ

結局、本体の重さで腕は疲れる
枝がスパスパ切れるので楽しくなって作業をしていたところ、1時間くらい経ったところで「あれ、今日はもう無理かも…」となりました。疲れた場所はやはり手首ですが、握力というよりは腕全体、肘のあたりにかけてでした。
「握る疲れ」からは解放されたけれど、「持ち上げ続けて支える疲れ」という新しい疲れ方に変わったようです。なるべく軽いはさみを選んだつもりですが、手動のはさみは180gほどなので、UP180DZKの670gと比べると約500g重たくなったことになります。やはり手首にかかる500gの違いは大きかったようです。
大いなる力を扱っている分集中力も要るので、疲れた状態で惰性で作業をするのは避けるべきでしょう。すごすごとその日の作業は終わりにしました。
つまり、作業の進む速さは2倍くらいになったけれど、作業のやめどきも半分くらいになったので、1日に進められる作業量は今までどおりということです。

これは結果として良かったのか? 人によって判断が分かれそうですね。
私の場合は、同じ作業量でも空き時間が増えたので、それはそれで嬉しい結果だと思います。効率化が進んだということですから。
空いた時間で休んでもよし、軽作業をして別のタスクを進めてもよし。時間は大切な資産です。
もう少し使いこなせるように進歩したいとは考えていて、なるべく脇を上げずにはさみを支えると疲れにくいかな?とか、木を切る前にどの枝を落とすかのシミュレーションをもう少しして腕を下ろして休ませながら作業するとええか?など試行錯誤中です。

それでも買ってよかったと思う理由

腕の疲れという誤算はあったものの、トータルで見れば導入して良かったと感じています。
やはり、少し太い枝を切るときの億劫さが減ったことが、私のなかでは大きいです。
果樹の剪定は、よい果実を毎年ならせるために欠かせない作業です。そのなかで、樹を勢いづかせてよい枝を出させるためには、ある程度太いところから切り返したほうがよい結果になることもあります。
手動のはさみで手が疲れていて大変そうだからと、上の細い枝で妥協してしまうと、その場では楽でも将来によい結果をもたらさないかもしれません。短時間であっても最後まで集中し、翌年のよい果実のために納得できる作業ができるなら、この数万円の投資はきっと何倍にもなって返ってくるんじゃなかろうかと期待しています。
もし迷われていて腕力に不安がある方は、本体の重さがネックになる可能性もあるので、可能であれば購入前に実機を持ってみることをおすすめします。農機具店やホームセンターに展示があれば、チェックしてみてください。私は今回オンラインで購入しましたが、マキタであれば農協などでも販売のキャンペーンを実施する機会があるかもしれません。

大いなる力を手にしたことでやはり使うたびに緊張感は走りますが、それが怪我の防止にもつながると思っているので今後も恐れを抱きつつ、素早く作業をこなしていきたいです。

替刃なども使って長く使える商品だと思うので、今後もお手入れ・メンテナンスなど発信できたらと思っています。

それでは、また!